log: 購入した本 (2023年7月)

現代思想 2023年7月号

www.seidosha.co.jp

ちょうど『計算理論と数理論理学』の一番はじめのオートマトンの節を読み始めたところで、この特集号が出版されたのは私にとってはかなりよきタイミングだった。

まだざっとしか目を通していないのだけれど、河西棟馬さんのコンピューティング史の論文「「計算」概念の多元性――コンピュータ・サイエンス形成期を中心に」は興味深く読んだ。「計算」概念についての今の私の興味の一方はかなり論理学者寄りの抽象的なもの、もう一方はプログラマの仕事として日々目にすることになる、コンピュータが行うとても具体的な計算に関するもので、それらの間には直線的な(一次元的な)関連があると想定していたのだけれど、実際にはおそらくそうではない、というのが「多元性」の意味するところで、私の狭い理解を反省する機会になったと思う。

 

現代思想』の特集について(というか、雑誌の特集記事全般について)毎回思うのだけれど、分野が多岐にわたりすぎて、結局私がとても楽しめる寄稿が二つか三つぐらいしかないのが(購入したとき)少しもったいない気がする。