log: 書籍ログ (2024年2月)

 

購入した本

 

プラグマティズムはどこから来て、どこへ行くのか』

www.keisoshobo.co.jp

www.keisoshobo.co.jp

先月の「気になっている本」枠。まだ読み始めたばかりなのだけれど、たぶんオーソドックスな入門書という感じの本ではないので、多少は覚悟して読む必要がありそう。ただ、思ったよりもいわゆる英米系の分析哲学のモチーフが(ブランダムが言うところのプラグマティズムの輪郭をかたどるものとして)ばしばし出てくるので、(一応ネオプラグマティズム第一世代とみなされている)クワイン、グッドマンの書きぶりから、その前の世代のアメリカ哲学の流れを汲みとることに難儀していた自分からするとかなり新鮮で、きちんと読まねばという気持ちに今のところなっている。

 

気になっている本

いつも群論の途中とかですぐに議論に飽きてしまうので、短めでガロア理論の話とかまで見られる本があればよいのにと前から思っていた。

代数ってどこまで勉強したらおもしろくなるのかあまりイメージできていないので(これは私が単に向いていないだけという可能性もあるけれど)、詳しい人にツボを聞いてみたいかもしれない。

 

log: 書籍ログ (2024年1月)

 

購入した本

 

型理論

型理論の数少ない和書で、中身を読めるかはともかくとして、参考文献リストを見て、今後の勉強方針を考えようと思った。たぶんProofs and Typesを読むか、ラムダ計算に入門し終えてから読むのが正解なのだと思う。

ソフトウェアテスト教科書 JSTQB Foundation 第4版』

www.shoeisha.co.jp

将来的に受験するつもりなので、とりあえず内容を把握したかった。

『マスタリング TCP/IP [入門編] 第6版』

www.ohmsha.co.jp

最近中身を眺めてみたら思ったより読みやすそうだった。今年は他のことで忙しいので、ネットワークスペシャリストを受ける予定はないのだけれど、これを読み終えたときに受けても大丈夫な状態になっていたら嬉しい。

 

気になっている本

最近「プラグマティズムってどんな考え方ですか?」と聞かれてうまく答えられなかったので、ちゃんと本を読み直した方がよいのかも、と思った(その目的のためにこの本が適切なのかどうかはあまり知らないのだけれど、よく見たらブランダムが書いている…!意外な気もするし、そうでもないかもしれない)。大学時代、プラグマティズム入門の講義が開催されたことがあったのだけれど、まあいいかと思って受講しなかったの、いま思うとすごくもったいない…

note: 2024年目標

 

2024年になった。紆余曲折あって、今年は勉強をメインには取り組まない年にしたい、と思っているのだけれど、そうは言いつつ一年は長いので、どこかのタイミングで時間が取れて勉強することもあるだろうとも思っている。ので、簡単に目標を立てておく。

学術関連

数学・物理学

①「完全な熱力学関数」の概念を理解する。そのために『熱力学: 現代的な視点から』第7章あたりまで読む。

 

論理学・計算機科学

できればラムダ計算、型理論の基礎を勉強する。

哲学・科学哲学

できればフレーゲの解説書、入門書を1冊読む。

 

業務関連

IT技術

Haskellの「モナド」の概念を理解する。そのために『すごいHaskell たのしく学ぼう!』第14章あたりまで読む。

資格

JSTQB Foundation Levelに合格する。

note: 2023年勉強振り返り

2023年も終わりなので、今年勉強したことを振り返ってみる。

 

 

学術関連

数学

群論

復習したい計画は結局途中で飽きてしまったので、中断して群の作用のことを少しやった。まだ群論で触れられていないことは山ほどありそうなのだけれど、もうちょっと別のこともしてみた方がいい気がする。

多様体

軽く定義は確認して、イメージはわかったかもしれない、と思ったのだけれど、きっちり教科書を追うのはやはり難しかった。積位相が出てきたときに、きちんと扱う準備がまだできていないかもしれない(位相空間に限らず、積対象(でよかった?)全般になじみがないので、このあたりは要基礎固めポイントになりそう)。

今後

線形代数微分積分をやった後の次のステップが難しすぎる、と痛感する…。なにかきっかけがあればつかめそうな気もするけれど。

生成AIがすごすぎてもはやあれかもしれないけれど、数学もある程度きちんとする系(理論は適当にざっくりPythonで実装して終わりという感じのやつではない、という意味)の機械学習の勉強はしてみたかったりする。

物理学

熱力学

以前から積んでいた田崎晴明さんの本に手を出し始めた。熱力学は大学時代に講義に潜って勉強したことがあると言えばあるのだけれど、工学部(確か建築学科)向けの授業でわりと緩かった(進度が遅れて結局エントロピーの導入ぐらいまでしか行かなかった)のもあったし、そろそろそれもかなり忘れているので、そのときよりは厳密な理解に至りたいという気持ちが芽生えてきたのもあった。以前よりも厳密な理解をするのに加えて、「完全な熱力学関数」という概念を理解することが今回のゴールかなと思っている。その次は統計力学

今後

Susskind先生の一般相対論本は結局手を出せなかったけれど、時間を見つけて読みたい。後は統計力学の初歩と、量子力学の復習(と前やれなかったこと)あたりをやれば、物理の基礎っぽいところにはざっくり目を通した状態になるはず。そうなったら、もうちょっと発展的なところ(場の量子論とか、固体物理とか)にも挑めるかも…と、興味があることは多いけれど、現状私の中で、そもそも全体的に物理をやる優先度が低いかもしれない…。いつまでに何をやりたいか(あるいは逆に、いつまでであれば放置でも妥協できるか)、他のことと相談して調整した方がいいやつ。

論理学・計算機科学

オートマトン

オートマトンの定義をさらっと見たぐらい。「チューリング機械」の概念を理解することがひとまず今回のゴールかなと思っているけれど、だいぶ止まっている…。

今後

プログラミングとの関連を言えば、型まわりのこととか、プログラム意味論とかを訪ねてみるのが一番よい気がしている。次点で圏論とか、ラムダ計算とか(私の中ではこのへんは型の話とだいたい一緒では?という気持ちもあるけれど)。

あとはモデル理論の本に前から興味があるのだけれど、前提知識がほぼない状態で挑んでよいのかわからず、とりあえず学生時代に入手したそのへんへの入門になりそうな本をまず眺めてみる方が先かもしれない…と思っている。

哲学・科学哲学

物理学の哲学

A Very Short Introductionを途中まで(量子力学の章の手前まで)読んでいたのだけれど、なんかあまり私が期待していたものではない感じなので止まっている…。

「数式が出てこない本はだめ」みたいなことを言うつもりはない(むしろ数式だけあれば十分と思っている人の方が嫌いかもしれない)のだけれど、極端に数式が少ないとなかなか深い、裏付けとかディティールがきちんとある話にならない(し、物理学者の人にもきちんと話が伝わらないだろうと思われる)ので、よい哲学をするための土台としては準備不足感が出てしまうのだと思う。ドメイン知識がないとよい哲学はできない(その状態の下手な物理学の哲学より、物理学の方が面白いまである)、というのが最近ずっと思っていることで、そういう気持ちも踏まえると、物理学そのものの勉強を進める方が現状の私にとってはよいのかもしれない…

新書

新書で今まで縁がなかった哲学者に入門してみようと少し読んでみたけれど、思ったほどはまらなかった。

今後

ときどきチェックしてPDFを入手しているCambridge Elementsシリーズがけっこうな量になってきたので、少しずつ手をつけていきたい(かなり難しめのやつもある印象なので、今すぐ全部読むのは無理な気がするけれど)。

あと、いわゆる分析哲学の王道のところに、大学時代きちんと向き合えていなかったなあ…という反省があって、フレーゲラッセル、カルナップ、クワインらの哲学を丹念に追い直してみたいという気持ちになってきている。(欲を言えば、デイヴィドソン、ダメット、デイヴィド・ルイスとかもそうかもしれない。)

 

業務関連

プログラミング・IT技術

TypeScript

その都度ドキュメントを見たらざっとは書けるだろうという気持ちになったので、その先にある面白そうなところはあまり勉強できていない。

Haskell

本と開発環境は準備したけれど、まだ手をつけ始めたぐらいのところ。

今後

年始時点ではUnityもやりたいと思っていたけれど、私の生活の中でゲームの優先順位が低すぎるのでしばらくはいいかなと思っている。あと、ゲームを作り始めると具体的な実装とか世界観よりメカニクスを考える癖があり、それにとても時間をとられるのが微妙に嫌かもしれない。

Haskellはもう少しきちんとやりたいけれど、正直に言うと、プログラミング言語そのもの(文法、言語仕様、それを使う利点、デメリットとか)には私はそこまで関心を持っていない気がしてきたので、いたずらにたくさん高級な言語を学ぶフェーズではなくなってきているのだと思う。といいつつ、可読性の高いコードの書き方とか、いけてる設計、開発手法とか、なんかそういうやつもちょっと食傷ぎみなので、次のステップとしては、低レイヤとか、型まわりの概念的なところとかを訪ねてみるのが一番面白そうかもと思っている。

資格

基本情報技術者試験

5月末ごろに受験した。以前にITパスポートの勉強をしたことがあるのだけれど(なおITパスポートは未受験)、問題の感じがだいたいそのままで拍子抜けしつつ、さらっと試験勉強をして臨んだらあっさり合格してしまった。試験勉強としてはほとんどが過去問を解く時間で、参考書はいちおう買ったけれど、気になった箇所を見直す程度でほぼ使わなかった。

応用情報技術者試験

10月に受験した。応用情報も半分ぐらい基本情報と問題一緒では?と思いながら試験勉強をしていたけれど、分野によってはけっこう細かい知識が必要なところもあるという印象だった。午後試験の対策が完全に不十分なまま臨んだけれどこちらも合格した。さすがにエンジニアの入り口には立てたと思うので嬉しい。

今後

IPA関連だと次はネットワークスペシャリストか、データベーススペシャリストとかかなあ、と思いつつ、知っている人で取っている人がほぼおらず、取ったらどう役に立つのかが見えていないので、どうしようかなと思う。あと来年春は時期的にちょっと準備できなさそう。趣向を変えるなら、テスト系(JSTQB)とか、あとプロジェクトマネージャはつまらなさそうなのでスルーしていたのだけれど、プロマネ系とか。

 

その他

勉強方法

大学時代から、ずっと「本単位でなにか分野を勉強する」というスタイルで続けてきたのだけれど、社会人になって自由時間がただでさえ少なくなったうえに、勉強以外にもいろいろやりたいことが重なってくると、このスタイルを維持して常識的な期間内(少なくとも、私が飽きない間)に本を読み終えるのはかなり無理があるらしい、ということに気づいた。

それで、今年の半ばから趣向を変えて、「トピック単位で勉強する」というスタイルを試していて、具体的には

  • なにかトピックを決める。自分で決められるなら自分で決めてもよいし、読みたい本の1セクションでもよい。
    • ただし、トピックの規模はだいたい1~2週間で終われそうな分量にする。
  • そのトピックについてノートをとりながら進める。
    • 順序は本に必ずしも従わなくてよい。自分が納得する順序で。
    • 面倒そうなところは飛ばしてもよい。
  • トピック一つ分では終われないときは、いくつかの連続したトピックにする。

という感じなのだけれど、今の生活にはこちらの方がいいのかもしれない、という感触を得ている。本をじっくり読めるのが大学生の特権というのは本当にその通りだったなあと日々思うけれど、それはそれとして。

それとは別に、定期的に勉強する習慣をつける、あと、きちんと正しい理解に至れているか確認する、という意味でも、オンライン家庭教師とかを検討するのもいいかもしれない。

 

まとめ

本をまとまった分量読めていないという点ではそこそこ挫折感があり、去年に比べてだめだめだったなあという感じなのだけれど、

  • これまでノータッチだった資格勉強をがんばった
  • 勉強スタイルを転換してみた

とかの新しい挑戦ができていた点はよかったのでは、と思う。

2024年目標は別記事にする予定。

log: 購入した本 (2023年9月)

すごいHaskell たのしく学ぼう!
  • Miran Lipovača (2012)『すごいHaskell たのしく学ぼう!』, 田中秀行・村主崇行共訳, オーム社.

shop.ohmsha.co.jp

前からHaskellの勉強をしたいと思っていたのだけれど、そう思うだけでまったくなにも進んでいなかったので、本を買って自分に圧をかけていくことにした。実は学生時代から少しは興味があったのだけれど、前に買った『プログラミング言語の形式的意味論』を眺めていたら、演習問題でStandardMLなどの関数型言語でのプログラミングをする必要がある箇所があったので、そっか、まずそっちをやった方がいいのか…、と思ったのも大きかった。そちらの本も読み進めていくために、まずは環境を準備して、基礎的なところの先に進むための副読本として読めたらいいなと思う。とりあえず来月中旬ぐらいから…

log: 購入した本 (2023年7月)

現代思想 2023年7月号

www.seidosha.co.jp

ちょうど『計算理論と数理論理学』の一番はじめのオートマトンの節を読み始めたところで、この特集号が出版されたのは私にとってはかなりよきタイミングだった。

まだざっとしか目を通していないのだけれど、河西棟馬さんのコンピューティング史の論文「「計算」概念の多元性――コンピュータ・サイエンス形成期を中心に」は興味深く読んだ。「計算」概念についての今の私の興味の一方はかなり論理学者寄りの抽象的なもの、もう一方はプログラマの仕事として日々目にすることになる、コンピュータが行うとても具体的な計算に関するもので、それらの間には直線的な(一次元的な)関連があると想定していたのだけれど、実際にはおそらくそうではない、というのが「多元性」の意味するところで、私の狭い理解を反省する機会になったと思う。

 

現代思想』の特集について(というか、雑誌の特集記事全般について)毎回思うのだけれど、分野が多岐にわたりすぎて、結局私がとても楽しめる寄稿が二つか三つぐらいしかないのが(購入したとき)少しもったいない気がする。

 

 

log: 購入した本 (2023年6月)

『科学と仮説』

www.iwanami.co.jp

 

A philosophy of Software Design
  •  John Ousterhout (2021).  A philosophy of Software Design. 2nd Edition. Yaknyam Press.

Software Design Book

 

『令和5年【春期】【秋期】 応用情報技術者 合格教本』

gihyo.jp