1 2022年振り返り
1月~3月
- Leonard Susskind & Art Friedman (2018), Special Relativity and Classical Field Theory: The Theoretical Minimum (Penguin).
- Theoretical Minimumシリーズの第3巻。2021年の秋ぐらいから読みはじめて、この時期は後半部分を読んでいた。
- 初心者向けといいつつ、徹底してラグランジュ形式の場の解析力学で議論するという野心的な企てに満ちた本で、物理学科ではないけれど軽く理論物理の世界をのぞいてみたいという人にはかなりおすすめしたい。
3月~4月
- I. M. Singer & J. A. Thorpe (1967), Lecture Notes on Elementary Topology and Geometry (Springer).
- いろいろな人がおすすめしているのでたぶん名著なのだけれど、この本は自分にはまだ難しかったので、第1章の終わりあたりで止まっている。
- ただ、丁寧に読んで位相空間論の初歩についてはちょっと自信がついたので、多様体やトポロジーなどの応用的なところをもっと簡単な本で先にいろいろ見てみてもいいのではという気持ちになりつつある。
5月~7月
- Noam Nisan & Shimon Schocken (2015), 『コンピュータシステムの理論と実装: モダンなコンピュータの作り方』斎藤康毅訳 (オライリー・ジャパン).
- コンパイラを扱う第10章の手前まで来て、終わりまでの理論的な話の展開が見えてきたので、残りはまあいいかと思ってそこで止まっている。
- ハードウェア階層の話やバーチャルスタックマシンの話はとても楽しめたし、コンパイラを作る中で出てくる構文解析器の実装もとても勉強になりそうなので、モチベーションが復活したらまた挑戦したい。
夏休み
- ソール・A・クリプキ (2022), 『ウィトゲンシュタインのパラドックス: 規則・私的言語・他人の心』黒崎宏訳 (ちくま学芸文庫).
- クワイン、グッドマン的経験主義や、分析哲学での傾性 dispositionの取り扱いについての理解が深まったからだと思うけれど、B4かM1のときに読んだときよりはるかに楽しく読むことができた。そしてやはりヒュームは偉大だと思った(ウィトゲンシュタインへの感想が薄くてよくない気がする…)。
- この本で扱われている「規則のパラドックス」には、野矢茂樹先生や飯田隆先生などの本を含め大量の二次文献があるけれど、それらにはまだまったく目を通せていない。
12月
- 雪江明彦 (2010), 『代数学1: 群論入門』(日本評論社).
- しばらく間があいたので、集合論の初歩あたりから復習して感覚を取り戻したくなった。2021年夏に軽く群論を勉強したのだけれど、そのときはあまり面白さがわからなかったため、今回はもっと楽しめたらと思う。
2022年は最後まで読み終えられた本が少なく達成感があまりなかったけれど、こう見てみると分野のバランスはわりと取れている気がする。
2 2023年目標
2.1 数学・物理
私にとってのより長期的な目標は「30歳になるまでに一般相対性理論とゲージ理論の概要を理解する」かなと思うようになってきた(前から漠然と理解したいなーと考えていたのだけれど、目標という感じではなかった)ので、2023年はこの目標のための足場固めをメインにやってみたいなと考えている。具体的には:
他にもやるべきことがあるかもしれないけれど、そこは随時足していくということで。
2.2 プログラミング
半分はお仕事なのだけれど、挑戦したいことはいろいろある。
あとは基本情報技術者試験を受けるとか。